R.M Monthly Authentics:初めてでも間違いないランニングシューズ選び。《BROOKS ゴースト17》後編
“走る気満点”の時も、“あんまり気乗りがしない”時も履ける、人生の伴走者のような一足。そんなランニングシューズに出会うためのR.Mのマンスリー連載。お待たせしました、アメリカンな香りが満載〈BROOKS〉の後編をお届けします。
北米で絶大な人気を誇る〈BROOKS〉が推薦したのは、日本の“ランニングシューズ通”の高い支持を集める〈ゴースト〉シリーズの最新作。本連載の前編では、〈BROOKS〉の日本総代理店、東京・新宿のアキレスの本社を訪ね、《ゴースト17》について、根掘り葉掘り伺ってきた。
度重なるアップデートを重ねても揺るぎないのは、《ゴースト17》の走行安定性。《ゴースト17》の走行安定性は、歴代の改良の蓄積と、最新のテクノロジーとのシナジーの賜物である。足の甲を包み込むメッシュアッパー、かかとごと足をしっかりホールドするヒールカウンター、耐摩耗性に優れるのにグリップするアウトソールなどなどなど。
忘れてならないのは、ミッドソール。ミッドソールは、着地の衝撃を吸収し、その衝撃を推進力に換える、いわばランニングシューズの心臓部。《ゴースト17》には、EVAにラバーなどをブレンドし、窒素を発泡材として超臨界発泡技術で成型した「DNA LOFT v3」を搭載している。

まずは、足入れ&ウォーキングから
見るからに堅牢。でも、足入れはスルッと滑らか、かかともスポっと納まる。《ゴースト17》のシューレース(靴ひも)を丁寧に締めると、“守られている感”が増してくる。ゆっくり立ち上がると、ミッドソールのクッションで、わずかに沈み込む。今どきの流行を取り入れてはいるが、けっこう控え目。好みは分かれるが、筆者的に♡な“セミソフト”。
セミソフト感の源は、ミッドソールの「DNA LOFT v3」。階段を上ったり、かかと歩きをすると、セミソフト感をさらに体感できる。ミッドソールがソフト過ぎると、長時間や長距離の歩行が不安だが、《ゴースト17》にその心配はご無用。お世辞抜きで、100㎞のロングウォークイベントにも参加できそう。
ソールに貼られたロードトラックラバーのグリップは、なかなかハード。“こりゃ、ヘタらん”丈夫さも併せ持ち、2回の試走ごときでは、まったく無傷。(これまた、お世辞抜きで)新品と見まごうばかり。長持ちするとは聞いていたが、なるほどスゴイ。

1キロ7分の「運動不足解消」ペース♪
運動不足解消に、無理は禁物。自分のペースで、気が向いたときに、ちょくちょくが正解だ。となると、1キロを7分ほどで走っている(はず)。で、《ゴースト17》。歩いていた時に感じた「DNA LOFT v3」のセミソフト感が、走ると適度な“セミハード感”に変化する。
このセミハード感は、かなり絶妙! 《ゴースト17》自体は、安定性を重視したフラットな構造で、前足部とかかとの高低差(ドロップ)も10㎜とマイルドだが、意外に進む。ぱっと見“退屈なシューズかも……”と疑念が沸くが“さにあらず”なのである。
《ゴースト17》は、トリッキーな機能満載の“おしゃべりな”シューズではない。構造に趣向を凝らした“面白い”シューズでもない。走りに寄り添ってくれる、なるほど安心な“いい奴”。《ゴースト17》と一緒にゆっくり……なのが、心地良い。

1キロ6分の「痩せラン」ペース
少しだけペースを上げよう。速すぎると疲れちゃうし、遅すぎると退屈しちゃう。なので、その中間が心地よい。心地よければ、長く走れる。つまりは、脂肪が燃える。ペースは、(体格にもよるけれど)1キロを6分で進む“キロ6分”が目安だろう。
そこで《ゴースト17》。加速に、滑らかに反応。違和感は全くなく、ノーストレス。ソールの踏み面が広いので、少々スピードを上げても安定をキープ。路面が悪い石畳の道でも安定感はビクともしない(撮影とは別日、アップダウンや砂利道もある横浜の丘陵地でテスト済み)。
ちなみに筆者が心地よいと感じた《ゴースト17》の自然なペースは、1キロを6分30秒そこそこ。速すぎでもなく、遅すぎでもなく、気持ちよく履ける安定の一足。なるほど、コアな〈ゴースト〉ファンが、他のシューズに見向きもしないのも頷ける。
もし、旅行にシューズを1足だけ履くなら、《ゴースト17》は賢い選択だ。朝や晩のジョギングに使えて、昼間の街歩きでもOK、しかもカジュアルな服装にも合わせやすい。《ゴースト17》でたっぷり動き回れば、旅先で太るなんてありえない。

1キロ5分(=キロ5分)以下で駆け抜けたい、「スカッとラン」!
“スピード命!”も、走る楽しみ。気持ちもカラダも爽快感が欲しい「スカッとラン」は、(市民マラソン大会なども想定すると)1キロを約4分30秒~5分がペースの目安だろう。さぁ~て、《ゴースト17》のパフォーマンスやいかに!
これまた、スムーズ。拍子抜けするほど、きれいに追従。上り坂、下り坂、砂利の不整地でも、(もちろん良い意味で)変化なし。まるで、初めてMTBに乗った時のような、ズバ抜けた安定感。どこでも走れる気分になれる。
試しに、(調子に乗って)下りでさらに加速してみる。安定感は変わらないが、ミッドソールの反発は加速の分だけ増してくる(つまり、硬く感じる)。前編の取材で〈BROOKS〉の担当者が語っていた、“〈ゴースト〉は、スピードシューズではない”の言葉が思い起こされる。なるほど、1キロを4分以下で走りたいなら、その用途に合った〈BROOKS〉のレーシングモデルを履くべきなのね。
せっかくのご縁なので、取材後に行われた10キロ大会でも《ゴースト17》を履いてみた。大きな太鼓橋を何度も上り下し、松並木を走るファンランイベントに、《ゴースト17》の安定感はピッタリとフィット。来月の、物見遊山がてらのハーフマラソンも、《ゴースト17》かも♡。
撮影/中田 悟


