【イベントコラム】仲間に渡すために走る。COP RUN TOKYO 2026が見せた、チームで走る楽しさ
SAYSKY主催 COP RUN開催!
2026年6月28日 日曜日。
小雨が降る豊洲ぐるり公園に、300人を超えるランナーが集まった。
背後にはレインボーブリッジ。濡れた路面にシューズの音が響き、スタートエリアでは次の走者を待つランナーたちが体を揺らしている。雨は止みきらない。それでも会場の熱は落ちなかった。


SAYSKYが開催した「COP RUN TOKYO 2026」は、3人1組でバトンをつなぐリレースタイルのランニングイベントだ。1人が約1kmを走り、第1走者、第2走者、第3走者へとつないでいく。それを5周。合計約15kmをチームで走る。
ルールはシンプルだ。けれど、その分だけ会場の動きは慌ただしい。
走り終えたランナーが息を切らしながら戻ってくる。その横で、次の出番を待つメンバーが順位を確認し、体を揺らしながらスタートの準備をする。短い距離だから、自然とペースは上がる。雨に濡れた路面を蹴り、息を整える間もなく次の走者へ向かう。
COP RUNの面白さは、この短いサイクルの中にあった。走る、待つ、受け取る、また走る。その繰り返しが、チームのリズムをつくっていく。
会場を彩る都市型の演出も魅力


会場にはDJブースが設けられ、チップ計測によるリアルタイムの順位確認も行われた。ランニングイベントでありながら、どこかフェスのような空気もある。走る人、待つ人、応援する人。スタート・フィニッシュ付近には常に人が集まり、バトンの受け渡しのたびに声が飛んだ。



競技会ほど硬くはない。けれど、単なるファンランでもない。
その中間にある、SAYSKYらしい都市型のランニングイベントだった。
多数のランコミュニティが参加
参加者の顔ぶれも、このイベントの空気をつくっていた。
ファッションを楽しむランニングコミュニティ「Run de Mode」は、今回5チームで参加した。横浜や代々木公園、お台場など、街のさまざまな場所で走っているという。
「ガチっていうよりかは、楽しくファンランみたいな感じで」
代表のannaさんは、フェスのような空気感のあるイベントを探していたという。音楽のある会場、SAYSKYのウェア、街の中で走る空気感。速さだけではなく、気分が上がることも、彼女たちにとってはランニングの大切な要素だ。
「私自身がランニングを始める時に、ファッションがすごい好きだったので。SAYSKYとか、そういう気分が上がるウェアを着て走るっていうのを、みんなに伝えていきたい」
何を着て走るか。誰と走るか。どんな場所で走るか。そうした要素も、ランニングを続ける理由になる。
COP RUNの会場には、記録や順位だけでは測れない楽しみ方が自然にあった。

一方で、1kmという距離は決して楽ではない。
「きつかったですね。めっちゃきつかったです」
そう笑ったのは、ゲストのQUESTのひとりでもあるしんたさんだ。短い距離だからこそ全力になる。全力になるから、きつい。でもそのきつさには、どこか前向きな手応えがある。
QUESTは、「一歩踏み出す勇気を応援する」というコンセプトで活動している。ランニングは、そのためのツールのひとつだという。
「ランニングを通して、イベントに来てもらって、一歩踏み出してきついことをやる。日常的にも、何かに挑戦するきっかけになれればいい」
COP RUNの1kmリレーは、その言葉とよく合っていた。ひとりで走るにはきつい。でも、仲間に渡すバトンがあるから、もう一歩進める。戻ってきたら、また自分の順番が来る。逃げられないけれど、ひとりではない。
ランニングは個人競技のように見える。けれど、この日の豊洲では、走ることがチームの体験になっていた。


会場には、外務省マラソン部の姿もあった。4チーム、12人で参加。普段は仕事のあとに皇居を走り、省庁対抗駅伝やリレーマラソンにも出ているという。
「普段お堅い仕事のあとに、皇居走ってるんですよ」
そんな言葉に笑いが起きる。ランニングコミュニティ、職場の仲間、ジムやHYROXのチーム、友人同士。入口はそれぞれ違っても、バトンを持てば同じコースに立つ。その幅広さも、COP RUN TOKYO 2026の魅力だった。

レースでは、静岡から参加したチームが優勝を飾った。東京のランニングコミュニティだけでなく、地域を越えてランナーが集まっていたことも、このイベントの広がりを感じさせた。

様々な協賛ブランドがサポート
表彰では各部門の上位チームが名前を呼ばれ、会場から拍手が送られた。さらに、協賛ブランドによる賞品提供やじゃんけん大会も行われ、レース後まで参加者の笑顔が途切れない時間となった。


誰もが楽しめる新しい都市型のランニングイベント
撮影していて印象的だったのは、バトンを渡す直前の視線だ。
次の走者を探す目。受け取る側が少し前に出る動き。渡した瞬間にふっと力が抜ける表情。走っている時間だけでなく、仲間を待つ時間にも、このイベントらしさがあった。
雨に濡れた路面、海沿いの抜け感、レインボーブリッジを背にしたランナーのシルエット。そこにSAYSKYのウェアや、ランナーそれぞれのシューズ、サングラス、ウォッチが重なる。ランニングギアは、機能だけではなく、その人のスタイルとして見えていた。
速い人は速く走る。楽しむ人は思い切り楽しむ。けれど、バトンが渡るたびに、会場の視線は同じ方向へ向いていた。
走る人がいて、待つ人がいて、声をかける人がいる。3人のチームがいくつも重なり、その集合体がCOP RUN TOKYO 2026の空気をつくっていた。
COP RUN TOKYO 2026が見せていたのは、ランニングの新しさというより、もともと走ることの中にあった楽しさの再発見かもしれない。
仲間を待つこと。名前を呼ぶこと。きつい1kmを走り切ること。渡されたバトンを、また次へつなぐこと。
ランニングは、ひとりでもできる。
でも、つなぐことで、もっと広がる。
この日、豊洲に集まった300人は、そのことをそれぞれのペースで体験していた。
写真・文:宮本巧(Mumei Photographica)


