自然な走りを追求するユニークな存在。アルトラの歴史と人気モデル
昨今、ランナーのみならず、ウォーキングや散歩を楽しむ人やビジネスパーソンにも注目されるようになっているアルトラ。2025年2月にオープンした世界初の直営店舗、アルトラ銀座も多くの人で賑わっています。今回は、ブランドの歴史を振り返りながら、アルトラの魅力を探っていきたいと思います。
アルトラの創業は2009年。アメリカ・ユタ州で誕生しました。創業者はブライアン・ベクステッド氏とゴールデン・ハーパー氏。大学でバイオメカニクスを学び、卒業後にハーパー氏の父が経営するランニング専門店で働いていた二人は、ランニング障害を抱える多くのランナーの相談を受ける中で、ケガの原因はシューズにあるのではないかという仮説に辿り着きました。
芝生の上を裸足で走るときはきれいなフォームのランナーが、シューズを履いて走るとフォームが崩れてしまう。それを見て二人が作ったのが、既存のシューズをオーブントースターで加熱して踵を削り取り、踵と前足部の高低差をなくしたゼロドロップのシューズです。そう、これがアルトラの歴史の始まりでした。

アルトラのシューズの特徴はゼロドロップ構造(一部、低ドロップのシューズも展開)と、つま先にゆとりがある足指が自然に広がるフットシェイプ。目指したのは、人間本来の自然な足の動き、歩き方、走り方を促すことです。
多くのランニングシューズは、ドロップが4〜10mmほどあります。つまり、常に踵が高い位置にあるということです。前に進みやすいというメリットがある一方で、それは“自然”な状態ではないとも言えます(極端に言えばハイヒールを履き続けるのと同じように)。ゼロドロップのアルトラのシューズを履けば、姿勢やアライメントが裸足のときと近くなり、“自然”な動きが促されるというわけです。


日本上陸は2012年。トレイルランナーから支持が広がる
「アルトラのアメリカでの販売がスタートしたのは2011年。日本では2012年から販売が始まりました。これは、アメリカに次ぐ2か国目でした」と、アルトラの正規輸入代理店である株式会社ストライドの仲谷清志さん。
日本で最初に発売されたのは、ブランドの原点とも言える存在であるトレイルランニングモデル「ローンピーク」。2010年に日本語訳版が発売された書籍「BORN TO RUN」(クリストファー・マクドゥーガル)の影響もあり、トレイルランナーには裸足感覚のコンセプトが受け入れられ、知る人ぞ知るブランドとして徐々に支持が集まっていきました。
「100マイルレースなどの長い距離に挑戦するトレイルランナーの方、ロングトレイルを楽しむスルーハイカーの方を中心にブランドの認知が少しずつ広がっていきました。前足部にゆとりのあるフットシェイプが、長時間のランやハイクでむくんだ足にも対応するのが1つの要因だったのかなと思います」
ランナー以外にもアルトラのコンセプトと履き心地の魅力が広まる一因となったのが、銀座店のオープンとほぼ同タイミング(2025年2月)で発売された書籍「歩く マジで人生が変わる習慣」(池田光史著)です。歩くことをあらゆる角度から分析したこの本の中で、アルトラが大きく取り上げられていたことで、ビジネスパーソンを中心に認知が広がっていきました。
ソックスのような履き心地「エスカランテ 5」
ゼロドロップ構造と、足指が自然に広がるフットシェイプ。アルトラは、そのユニークさゆえ、リピーターが多いそう。その中でも、長く“アルトラ ファン”から支持され続けているのが「エスカランテ」シリーズです。


「初代モデルからソックスのような履き心地というのは一貫しているところなのですが、伸縮性のある素材でできたアッパーが、個々の足の形に合わせてナチュラルにフィットしてくれます。履いていて窮屈さを感じないのが、エスカランテの大きな魅力かなと思います。エスカランテ 5のスタックハイト(ソールの厚さ)は、24mm。適度なクッション性がありながら、接地感がしっかりとあります。アウトソールのパターンは、足の動きを妨げないフレキシブルな形状になっていて、とてもナチュラルな履き心地が味わえます。ジョギングはもちろん、通勤・通学などの移動、立ち仕事にも適したシューズです」
アルトラを代表するロードモデル「トーリン 9」
日々のジョギングから、フルマラソン、ウルトラマラソンまで。「トーリン」は、幅広いシーンでランナーを支え続けているロングセラー。実は、筆者も「トーリン 4」から愛用しています。


「汎用性が高く万能で、迷ったらトーリンというくらい人気のモデルです。トーリン 9のスタックハイトは28mm。クッション性がありつつ、接地感も十分にあります。アルトラのロードモデルとして初めてヴィブラム社製アウトソールを採用した点も特徴です。ロードランニング、グラベルランニングに対応するように開発されたもので、グリップ力がありながら、硬過ぎず、耐久性にも優れています。新開発のP35Xというミッドソールのフォームは内側がソフトで外側が硬めになっている2層構造で、エネルギッシュな反発性とクッション性を提供しながら、ブレのない安定した走りをもたらします」
山で長い時間を過ごすための一足「オリンパス 7」
「オリンパス 7」は、クッション性に優れたトレイル用シューズ。スタックハイトは33mmと厚さがあり、ヴィブラム社製のアウトソールがさまざまな路面に対して高いグリップ力を発揮。それでいて、ライド感は軽やかです。


「100マイルのような長距離を走るトレイルランナー用に作られたモデルですが、ハイキングや登山で使われる方も非常に多いシューズです。優れたクッション性と安定性、グリップ力を備えているので、荷物が重いときも安心です。アウトソールには、トラクションラグを備えたヴィブラム メガグリップを採用しており、さまざまな路面状況に対して高いグリップ力を発揮します。また、ミッドソールのフォームが前作より約15%軽く、約10%柔らかくなり、快適性がアップしています」
薄底スピードモデル「バニッシュ パルス」
近年、ランニングシューズは厚底トレンドですが、「バニッシュ パルス」は、ランナー自身が持つ速さを引き出す、薄底反発シューズです。
「スタックハイトは22mm。最近、薄底シューズというのは、どのメーカーもあまり展開していませんが、普段のトレーニングで地面をしっかりと捉えてスピーディに走りたいというランナーの方にとてもおすすめしたいシューズです。レース本番ではカーボンプレートの入ったシューズを履くという方も、薄底のゼロドロップシューズをトレーニングに取り入れることで、普段使われにくい筋肉が活性化し、それがレース本番に活きてくるのではないかと思います」

ゼロドロップと、足指が自然に広がるフットシェイプを軸に、人間本来の自然な足の動き、歩き方、走り方を促し、多くのランナーの豊かなランニングライフを支えているアルトラ。ランニング障害や足のトラブルに悩まされている方は、一度足を入れてみてはいかがでしょうか。
アルトラが国立競技場でリレーマラソンを開催
ランナーに走り続けられる身体でいてほしいと願うアルトラが、「RUN NATURAL, PASS IT ON.(自然に走り、次の誰かへ渡していく。)」をコンセプトに、駅伝型リレーマラソンを開催します。開催日は11月15日(日)、舞台は東京・国立競技場です。
2〜13名のチームを組み、制限時間内(4時間半と2時間半の2種目があります)に1周約1.4km(国立競技場トラック+場内特設コース)を何周できるかを競います。とはいえ、走順も周回数も自由! チームは男性オンリーでも、女性オンリーでも、混合でもOK。親子ランも用意されているので、誰でも気軽に楽しめます。アルトラの最新モデルの試し履きブースが場内に設置されるので、参加した際にはぜひ試してみてください。

【ALTRA EKIDEN 2026公式サイト】
https://altra-ekiden.jp


