男子3000mの日本記録を12年ぶりに更新!森凪也選手の目指すものとは
今年5月の「セイコーゴールデングランプリ」で男子3000mの日本記録を更新。そして、6月の日本選手権では男子5000mで優勝。見事に名古屋で開催されるアジア競技大会の代表に内定した森凪也選手。昨年は5000mで世界陸上に出場しており、着実に階段を上っているように見える森選手ですが、現在はどのようなトレーニングに励み、どんな目標を持っているのでしょうか。

三度目の正直で日本選手権を制覇
6月の日本選手権の男子5000mでは、得意のスパートでラスト200mの競り合いを制し、13分22秒41のタイムで優勝。見事に初優勝を果たしました。
「日本選手権に関しては、一昨年、昨年と続けて準優勝で、ようやくタイトルを獲ることができました。一昨年に関しては初出場で、期待値もそれほど高くない中での準優勝ということで嬉しい気持ちだったのですが、去年については自分も優勝すると思っていましたし、周囲の期待もある中だったので負けたという印象が強かったですね。今年は順位を狙っていた中で優勝をすることができたので、そこは嬉しく思っています」
レース前に既に派遣標準記録を切っていたこともあり、日本選手権の優勝で今年9月に名古屋で開催されるアジア競技大会の代表に内定しました。
「去年、アジア選手権に出場したのですが、そのときは自分のキャリアの中で初めての日本代表ということがあって緊張もありました。アジア選手権では優勝した選手と0.3秒差の3位だったのですが、今度のアジア競技大会では優勝を狙っていきたいと思っています」

1500mを強化し5000mに繋げる
この5月には3000mの日本記録を更新しただけでなく、1500mで自己ベストをマーク。自分自身ではどのような評価をしているのでしょうか。
「5000mのラストの勝負所で必要となるスプリント能力だけでなく、1500m、3000mという距離のスピード強化にも注力していたので、そのあたりの手応えを感じています。去年の世界陸上の5000mではラストの2000mが5分を切るぐらいのペースでしたが、5000mを戦ううえで1500mはもっと強化していかなければいけない部分だとも思っています」
1500m、3000mのスピードの強化を目標とし、結果を出すことに成功した森選手。どのようなトレーニングが成果に結びついたのでしょうか。
「トレーニングに関しては、乳酸を一度出してから走る練習というか、300m走を30秒リカバリーで数本のような、速いペースを短いリカバリータイムで走るというのを意識的に取り入れていました。乳酸が出た後の身体の動かし方に取り組んだ効果だと思うのですが、1500mのときであれば1200m通過ぐらいでも余裕がありました。今までは10000m寄りというか、5000mを余裕を持って走るためのトレーニングをしていたのですが、今年はそれを1500mに寄せつつ、5000mも走れるような準備をしてきました。5月末のMDC(1500mで自己ベストをマーク)と日本選手権(6月14日)は、それほど間がなくどちらもしっかりと走れたので、上手く両立できているのかなと思います」

森選手が出場を目指している2027年の北京世界陸上。男子5000mの参加標準記録は12分50秒に引き上げられました。
「12分50秒っていうのは簡単じゃないですよね。多くの国のナショナルレコードを上回っているタイムだと思うので。僕が勝手に感じたことではありますが、少なくとも12分台は出してこいよっていうメッセージなのかなと受け取りました。今の自分のベストタイムからしたら、北京までに12分50秒が出ているかと言われたらそれは難しいと思うのですが、そこに近づける努力はしていきたいですし、ケガなく練習をして積み上げていきたいなと思っています。一方で、5000m12分台というのは夢というよりも出さなければいけないタイムになってきたのかなと思います」
北京世界陸上に出場し、決勝進出を目指す森選手。予選通過がならなかった去年の世界陸上では、森選手は何を感じたのでしょうか。
「繰り返しになりますが、去年の世界陸上の最後の2000mを5分っていうのは自分の中での基準になりました。日本国内の5000mは4800mプラス200mみたいなレースが多いのですが、世界の舞台だとスプリントがある選手でもスプリント勝負になる前にそこにいないということが起こり得るので、1500mの能力がかなり重要になるのかなと思っています。自分の武器はスプリント能力ではなく対応力だと思っているので、そこを磨くためにも世界の高いレベルの選手たちと走ることが重要になるのかなと思います」
「ナイキ ペガサス 42」を幅広いシーンで活用
レースでは「ナイキ ドラゴンフライ 2 エリート」を愛用している森選手。トレーニング時は内容によってシューズを履き分けているそうです。
「ドラゴンフライ 2 エリートはとても反発が強いので、練習ではほとんど履きません。練習で履くスパイクはドラゴンフライ 2ですね。最近よく履いているのはストリークフライ 2ですね。カーボンプレートが搭載されていて、トラックスパイクの感覚に似ているので、軽いインターバルとかはストリークフライ 2で、メインのポイント練習はドラゴンフライ 2でという履きわけが多いです。
ジョグではペガサス 42とボメロ 18を愛用しています。またテンポ走ではヴェイパーフライ 4を履きますし、ロング走はペガサス 42のときもあれば、アルファフライ 3のときもあります。強度と距離、コンディションによって使い分けています」
5000mを主戦場とする森選手のロング走とはどれくらいの距離なのでしょうか。
「ロング走は28kmぐらいですかね。105分を超えるぐらいで走ると、27、28kmほどになるので、だいたいそれくらいかと思います。ただ、キロ4分ペースで28km走るときもあれば、3分30〜40秒ぐらいのペースで、20〜25kmを走るときもあるのでロング走にも幅があります。コーチとも相談しながら、練習内容が偏り過ぎないようにバランスを意識しています」

ジョグやロング走など幅広いシーンで活用している「ペガサス 42」の魅力はどこにあるのでしょうか。
「ウォーミングアップのときもペガサス 42を履いているのですが、流しだったりスプリント系の動きも問題なくできる点が気に入っています。ジョグではペガサス 42とボメロ 18を使い分けていますが、ペースが上がるロング走ではペガサス 42の方が走りやすく感じます。幅広く活用できるのが、ペガサス 42の魅力だと思います」
5000mでも日本記録更新を目指す。そして12分台へ
3000mの日本記録を更新し、1500mでも自己ベストをマーク。秋のアジア競技大会では優勝を目指すという森選手ですが、そのほかに達成したい目標はあるのでしょうか。

「日本人初の5000m12分台というのは、達成できたらかなり魅力的というか、響きがいいですよね(笑)。僕は日本代表のユニフォームを着ることが目標というか夢だったのですが、それが世界陸上で叶って。今後どうしようかと思ったときに、陸上が好きで続けていきたいので、そのためには厳しい道だけれど先に進んでいこうという気持ちになりました。世界陸上の参加標準記録の引き上げだったり、各国の記録の更新状況を見ると、まずは日本記録の更新という目標もありますが、日本記録の更新だけだと次の世界陸上の代表になれないと思うので、やっぱり5000m12分台というのは達成したいですね」
森選手のさらなる飛躍、そして日本記録の更新に期待したいですね!


