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R.M Monthly Authentics:初めてでも間違いないランニングシューズ選び。《PUMA ヴェロシティ ニトロ 5》 前編

大田原透

“コレさえ選べば、間違いなし”のランニングシューズを探す、「R.M」連載企画。運動不足の解消、体重のコントロール、気分転換、走力向上など、走る理由は十人十色。そんな十人十色が“満足”する一足を求める本企画。今月も、張り切ってお届けしちゃいます。

今月のフォーカスは、〈PUMA〉。アスリートたちの“最速”を支える製品開発を標榜する、ご存知、ドイツ発のスポーツブランドである。世界や日本のトップ層のランナーを支えるPUMAは、そのラインナップを着実に拡大。もちろんエリートランナーだけでなく、十人十色のニーズにも応えるランニングシューズを開発している。

そして訪れたのは、東京・青山のプレスルーム〈プーマハウス〉。折しも、PUMAが最重要のシューズのひとつと位置付ける《ヴェロシティ ニトロ 5》のプレス向け発表会の日である。もちろんR.Mも「今後のPUMAの“顔”」とされる《ヴェロシティ ニトロ 5》は大注目。特別枠な取材枠を、用意いただいたのである。

プーマジャパンの安藤悠哉さん(ランニング部門MD)。安藤さんは、青山学院大学が大学駅伝史上初の三冠・三連覇を達成した時の主将という経歴の持ち主。

PUMAランニングの“顔”、《ヴェロシティ ニトロ 5》

「《ヴェロシティ ニトロ》は、PUMAにとって重要なシューズです。5代目となる《ヴェロシティ ニトロ 5》も、ファンランナーの方々のために開発されました。これから走り始めたい方、健康的に走りたいと考えている方、そんな、走ることに“快適さ”を求める方々に、PUMAが提案し続けたいシューズが《ヴェロシティ ニトロ 5》です」

と語るのは、こちらも今やPUMAランニングの“顔”となった、MDの安藤悠哉さん。多くのランナーへの深い理解をもってシューズの魅力を理路整然と説明する安藤さんは、箱根駅伝で活躍したヒーローにして、ランニングシューズのマーケットの旬を語れる逸材なのである。

「《ヴェロシティ ニトロ 5》には、PUMAが誇る、クッション性に優れながら高反発な『ニトロ』フォームをミッドソールに搭載しています。走ることに快適さを求めるシューズとして、今回も『ニトロ』の特性を活かしたアップデートを行っています」(安藤さん)

5代目のバージョンアップでは、足の甲に当たるシュータンがソフトなメッシュタイプに。シューレース(紐)を通すパーツにはvelocity5のプリントも♪

ミッションは、“走ることの快適さ”=クッショニング

《ヴェロシティ ニトロ 5》は、着実に拡充するPUMAのランニングシューズ群の“棲み分け”によって、そのミッションである“走ることの快適さ”=クッショニングが鮮明となった。安藤さんの話からは、確かに快適に走れそうな気持ちになるが、長い距離を走る42.195㎞のフルマラソンではどうだろう?

「《ヴェロシティ ニトロ 5》は、フルマラソンにも、もちろん使えます。タイムを出すというより、完走を目指す方、最後まで歩かずに走り終えたいファンランナーにお薦めです。また、実業団や大学陸上部などの方の、ジョグ用シューズでも履いてもらえると考えています」(安藤さん)

ジョグは、強い負荷を伴わないジョギングペース。週末だけ走るファンランナーであれば(私だ!)、1㎞を6~7分台で走るの~んびり走。しかし、実業団や大学陸上部レベルのジョグは、遅くても5分以下、なかには4分を切る選手もいるという。走力に大きな違いはあれど、選手たちも《ヴェロシティ ニトロ》でトレーニングを行っている。

「私が学生の頃、ジョグシューは1か月で履き潰しました。毎日履くと劣化が早まるので、3足をローテして、3か月で全て入れ替えました。気分で選べるように色違いで3足、違うシューズだと走った際の感覚が変わるので、3足とも同じモデルです。基準は、自分に合う、安心できるシューズ。もちろん、その時に《ヴェロシティ ニトロ 5》があったら、迷わず履いています(笑)」(安藤さん)

《ヴェロシティ ニトロ 5》は、“走ることの快適さ”=クッショニングを強力にサポートすべく、次の3点をアップデートしたという。

《PUMA ヴェロシティ ニトロ 5》 メンズ25~30㎝、6色展開。重量約240g(メンズ片足27㎝)。レディース22~26㎝、5色展開。16,500円(税込)。

1.ミッドソールの“厚み”を最適化

ミッドソールは、ランニングシューズのテクノロジーの心臓。理由は、着地衝撃を緩衝するクッショニング性とともに、その衝撃を推進力に替える反発性が求められるから。そのためPUMAは、業界のなかでも新素材の開発に早くから注力してきた。PUMAのアイデンティティとされる「ニトロ」フォームは、その結実なのだ。

「ニトロ」は、着地衝撃の85%を反発力に替える、高いエネルギーリターンを誇る。素材のベースは、アリファティックTPU。窒素を用いた超臨界発泡により、気泡が細かく高密度なため、「ニトロ」は優れた応答性とクッション性が得られる。モチっと、しかも跳ねるのである。

「前作に比べ、前足部の『ニトロ』の厚みを1㎜増やしました。一方、かかと部は1㎜薄くしています。また、前足部の厚みとかかと部の厚みの差(ドロップ)を8㎜に変更しました。前作のドロップは10㎜でしたので、クッション性を保ちつつも安定感がある、より扱い易い仕様になりました」(安藤さん)

《ヴェロシティ ニトロ 5》に搭載される「ニトロ」は、“あえて”前作から変更しなかったという。各社の開発競争が激化するなか、毎年のようにフォーム材は“進化”という名のもとに変更されている。そんな状況下でも、“あえて”変更しない「ニトロ」は、PUMAの揺るぎない自信の表れと言える。オーセンティックなシューズを求める私たちファンランナーにとっても、“あえて”変更しない「ニトロ」は、安心感が得られる。

ミッドソールに搭載される「ニトロ」フォーム。彩色されているがシンプルな1層構造で、内蔵プレートなどもなく、フォームの高いパフォーマンスをダイレクトに発揮できる。

2.「ジャパンラスト」を開発。甲周りが厚くなり、フィット感がUP

走りの快適さは、シューズのフィット感があってこそ。そのフィット感の良し悪しを左右するのが、足型(ラスト)だ。ラストは、製品になる前段階でシューズから抜かれるため、私たちが目にすることはないが、シューズブランドにとって、顧客データの結晶ともいうべき貴重な財産である。

「《ヴェロシティ ニトロ 5》のラストには、新たに『ジャパンラスト』を開発しました。ジャパンの名称は、私たちプーマジャパンの提案をもとに開発されたからです。デベロッパーと呼ばれる日本の開発チームが、多くの日本のランナーの足型を測定し、フィッティングのリサーチを行った結果を、ラストとして提案しました。最大の特徴は、甲周りの厚みにあります」(安藤さん)

グローバルでの比較実験でも、ジャパンが提案したラストが高く評価され、さらなる改良を経て《ヴェロシティ ニトロ 5》に採用されたという。ジャパンラストが評価された理由を、安藤さんは、日本人の“繊細さ”と“真面目さ”にあると感じたという。世界中で履かれる《ヴェロシティ ニトロ 5》のフィッティングは、実は、日本発信なのだ。

フィッティングの要となるのが、足型(ラスト)。《ヴェロシティ ニトロ 5》は、プーマジャパンが提案したラストをもとに開発が勧められた。

3.幅広のアウトソールで、安定性も向上

走りの快適さには、安定性も欠かせない。ふわふわで厚みのあるミッドソールだと、その安定性に不安を覚えるランナーが少なからずいる(私だ!)。そのため、各社ともミッドソールにプラスチックなどのプレートを内蔵するなど、グラつかない工夫を凝らしてきた(ちなみに《ヴェロシティ ニトロ 5》に、プレートは入っていない)

「《ヴェロシティ ニトロ 5》は、先ほど紹介したミッドソールの厚みの最適化に加え、路面とのアウトソールの接地面も広くしています。その結果、走行時の安定性を確保しています。しかも、シューズ自体の重量は、前作に比べて10g軽量にしています」(安藤さん)

筆者は、前作の4も本連載で試し履きしており、アウトソールの接地面の広さ、とりわけ前足部の広さに驚かされた。最新《ヴェロシティ ニトロ 5》では、さらにアウトソールの接地面が広くなったとの話に、ますます興味がそそられる。早く試してみたいところだが、その前に、最後の質問を安藤さんにぶつけよう。

広いアウトソール面。前作4も広く感じたが、さらに安定性を高めている。ラバーには、ご自慢の「プーマグリップ」を採用。路面をよくグリップし、耐摩耗性にも優れる。

今年の「横浜マラソン」の主役は、《ヴェロシティ ニトロ 5》を履いた、あなた!

安藤さんに、最後に聞きたかったのは、《ヴェロシティ ニトロ 5》のプロモーション戦術。よいシューズを作っても、知って、履いて、走ってもらわなければ商品として成立しない。私たちファンランナー向けに、どんな作戦を練っているのだろうか?

「PUMAにとって、《ヴェロシティ ニトロ》は最重要のシューズのひとつです。もちろんスポーツ量販店などで直接お客さまとコミュニケーションを取られているスタッフの方々とのリレーションにもチカラを入れてまいります。同時に、ブランド自体の露出も強化し、PUMAのシューズを知っていただく機会もさらに増やしていきます。そのひとつの機会が、PUMAが2024年からスポンサードしている『横浜マラソン』です」

安藤さんによると、PUMAは2026年の「横浜マラソン」で、《ヴェロシティ ニトロ 5》の大々的なキャンペーン=「プロジェクト ファン」を仕掛けるという。「横浜マラソン(フルマラソン)」にエントリーしたランナーを対象に、抽選で500名に《ヴェロシティ ニトロ 5》を提供し、レースで履いてゴールを目指してもらうモニタープログラムが進行しているのだとか。

2026年の「横浜マラソン」は、10月25日に3万人規模で開催の予定。多くのランナーたちの足元が《ヴェロシティ ニトロ 5》に染まるのは壮観のはず。残念ながら、すでに「横浜マラソン」のエントリーは終了しており、次なる奇策が待たれるところだ! 

《PUMA ヴェロシティ ニトロ 5》のインプレは、後編にて!

快適な走りを叶えてくれる《ヴェロシティ ニトロ 5》が、どんどん気になってきた。というコトで、試履きへGO。本連載の目的は、“ちょっと走ってみようかなぁ”というファンランに合う、定番の一足探し。インプレで想定するシーンは、次の4つとなる。

まずは、①足入れ、②ビギナーを含めた「運動不足の解消」を目指す低速での走行、③お腹周りの体脂肪を燃やすための長時間走に合った「痩せラン」ペース、④そして気分爽快のためのダッシュの「スカッと走」。それぞれの速度帯での《ヴェロシティ ニトロ 5》の実力は……。というところで、前編は終了。

試走の詳細は後編にて。乞うご期待である!

プレス向け発表会の後は、《ヴェロシティ ニトロ 5》の試走会も行われ、安藤さんも夜の青山を颯爽とラン。一方、右の筆者は、数週間前のレースで右ふくらはぎを痛め、しょぼしょぼと見学……。

撮影/中田 悟

この記事を書いた人
大田原 透
大田原 透
編集者
フィットネスライフスタイルを提唱する『Tarzan』元編集長。1968年生まれ、身長175㎝、体重68㎏。フルマラソンのベストタイムは3時間36分台という典型的な市民ランナーにして、ウルトラマラソン、トレイルランニング、トレッキング、ロードバイクなど長時間&長距離スポーツをこよなく愛す、走って&試して&書く業界猛者のひとり。
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