R.M Monthly Authentics:初めてでも間違いないランニングシューズ選び。《アシックス GT-2000 15》 前編
間違いのない買い物は、なかなか難しい。ランニングシューズは、“なおさら”だ。体格も、足型も、走るフォームも千差万別。練習の量や質で走力も異なり、変化する。さらに、日本列島は縦に長細く、春夏秋冬、天候や気温など、走る環境すらも変わる。ひとつの情報が、“正解”とは限らない。
でも、私たちは走る。運動不足解消、スリムな自分を取り戻す、ストレス発散など、動機はどうであれ、私たちは走る。そんな走る私たちが“満足する”一足。“コレさえ選べば、間違いなし”のランニングシューズを探す、「R.M」連載企画の時間がやってきました~♪
今月のフォーカスは、〈アシックス〉。日本生まれの、世界的に展開するランニングブランドである。訪れたのは、東京・丸の内のオフィス。R.Mの取材対応のために、何と、神戸から担当MDが駆けつけてくれた。
担当MDの鶴石佳也さんが手にするのは、8月6日に発売の《GT-2000 15》。日本での発売前に、特別に取材・撮影を行った。

「3D GUIDANCE SYSTEM」による安定性
「〈GT-2000〉は、安定性を重視したモデルとしてアップデートを重ねてきました。今回15代目となる《GT-2000 15》は、前モデルと同様に『3D GUIDANCE SYSTEM』を搭載しています。ランナーの走行時の動きを多角的に分析して開発された『3D GUIDANCE SYSTEM』により、安定した走りを実現しています」(鶴石さん)
着地から蹴り出しまで、一連のランニングの動きに対応する「3D GUIDANCE SYSTEM」は、ソールの構造で体感できる。例えば、かかと部から中足部にかけて内側に広がりを持たせたミッドソール形状。ミッドソールの内側に広がりを持たせることで、足が過度に内側へ倒れ込むオーバープロネーションを防いでいる。
「かかとに適度な傾斜を付けることでも、スムーズな足運びが可能になります。アウターソール全体の面積も広いので、着地から蹴り出しまで安定します。初心者の方から、日々のランニングを楽しんでいる方々まで、《GT-2000 15》は幅広く履いていただけるシューズです」(鶴石さん)
鶴石さんは、《GT-2000 15》を推す大きな理由が“もうひとつ” あると語る。

安定性をベースに、反発性を併せ持つ“レアキャラ”
「安定性に加えて、《GT-2000 15》は、反発性も体感いただけます。反発性は、ミッドソールの素材と構造の2つから得られます。反発性のある素材『FF BLAST MAX』は、バウンス感のある走りが特長です。さらに、前足部中央には『トランポリンポッド』を設けています。『トランポリンポッド』が着地時に沈み込み、蹴り出しの際に復元するため、推進力をアシストしてくれます」(鶴石さん)
鶴石さんによると、〈アシックス〉のランニングシューズの豊富なラインナップのなかで、《GT-2000 15》は、安定性と反発性を併せ持つ“レアキャラ”なのだとか。開発のベースには安定性があり、なおかつ反発性をプラスした、特徴的なポジションのモデルとなると、ガゼン興味が湧いてくる!
「“楽しく跳ねる感覚は欲しい、でも跳ね過ぎるのは……”という方に、《GT-2000 15》はお薦めです。そのため、走り始めたばかりの初心者の方も、楽しく走っていただけます。スピードも出せるので、“そろそろスピードを上げて走りたい”方にも選んでいただけます」(鶴石さん)
開発のベースは、あくまでセーフティな安定性。そこに、反発性をプラスしたのが《GT-2000 15》なのだという。なるほど、市場に出回る多くのモデルが、反発性をベースに、安定性をプラスしているのとは、発想が“真逆”。真価は、《GT-2000 15》を履いて走ることで分かりそうだ。


左:ミッドソールには、軽量で反発性に優れる「FF BLAST MAX」を採用。右:前足部中央が「トランポリンポッド」。
さまざまな工夫により、約20gの軽量化が実現
「《GT-2000 15》は、約252gと軽量です(27㎝片足)。ミッドソールを、前モデルより2㎜厚くしましたが、インソール(中敷き)を薄くし、アッパーも通気性に富むメッシュを採用しています。加えて、ミッドソールの発泡を工夫して、よりやわらかく、かつ軽量に仕上げることができました。その結果、前モデルよりも約20g軽くなりました」(鶴石さん)
前モデルから引き継いだ《GT-2000 15》の足運びの良さは、アウターソールが貢献しているという。着地や蹴り出しに関わるかかとやつま先には、耐摩耗性に富む「エーハープラス」を配置。履き心地を左右する部位には、より軟らかな「エーハーロー」を配置し、異なる2つの部材を使い分けている。
「3D GUIDANCE SYSTEM」による安定性を武器に、反発性をプラス、さらに軽量化や足運びの工夫など、〈GT-2000〉シリーズは、定番モデルとして高い支持を集め、安定した数字を維持してきた。しかし、そこに今、ある変化が生まれていると鶴石さんは語る。


左:インソールの素材をEVAに替えたことで、軽量化とともに、反発性も担保できたのだとか。右:アウターソールには2つの異なる部材が使われている。
《GT-2000》シリーズに起こった、ある変化とは?
「デザインや反発性の追求のアップデートを続けることで、〈GT-2000〉シリーズは従来の安定性に加え、新たな魅力を備えたモデルに進化しました。反発性という現在のランナーのニーズにも応える一足になったと思います」(鶴石さん)
なるほど《GT-2000 15》は、ランニングシューズの温故知新モデルなのだろう。“走ることはカッコいいし、ランニングを続けたくなった”という人たちに必要な、“セーフティ”かつ“ファン”な機能を、最新のテクノロジーで叶えた一足だと思えてならない。
「8月6日の発売以降、《GT-2000 15》の試し履きイベントも力を入れます。今まで〈GT-2000〉シリーズは、その存在を知っている人たちに支えられてきました。これからは、若い層やランコミュニティにも関心を持ってもらえると思っています」(鶴石さん)

《GT-2000 15》のインプレは、後編にて!
快適なランニングを叶えてくれそうな《GT-2000 15》が、どんどん気になってきた。というコトで、試履きへGO。本連載の目的は、“ちょっと走ってみようかなぁ”というファンランにも合う、定番の一足探し。インプレで想定するシーンは、次の4つとなる。
まずは、①足入れ、②ビギナーを含めた「運動不足の解消」を目指す低速での走行、③お腹周りの体脂肪を燃やすための長時間走に合った「痩せラン」ペース、④そして気分爽快のためのダッシュの「スカッと走」。それぞれの速度帯での《GT-2000 15》の実力は……。というところで、前編は終了。
試走の詳細は後編にて。乞うご期待である!

撮影/中田 悟


