R.M Monthly Authentics:初めてでも間違いないランニングシューズ選び。《サッカニー エンドルフィン アズーラ》前編
食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋。一度走り出せば、どこまでも駆けていたい秋。ランニングギアを新調したい気持ちまで高まったら、本「R.M」連載“コレさえ選べば、間違いなし”のランニングシューズ選びの出番である。
今回訪れたのは、東京・原宿の「Saucony HARAJUKU FLAGSHIP」。日本ではカジュアルなスニーカーのイメージが強い〈サッカニー〉だが、実はアメリカを代表するランニングシューズブランドである。取材に応じていただいたのは〈サッカニー〉の旗艦店の店長、同ブランドの日本の総代理店である丸紅コンシューマーリンクの鶴見尚生さんだ。
鶴見さんが手にするのは、《エンドルフィン アズーラ》。1898年創業という老舗ランニングシューズブランドが放つ、最新テクノロジー満載のスーパートレーナーである。《エンドルフィン アズーラ》は、レースを走るランナーのための〈エンドルフィン〉シリーズの中にあって、初フルマラソンへの挑戦から、エリートランナーのトレーニングまで幅広く履ける〈サッカニー〉自慢の一足として、R.M読者にお薦めだという。

〈サッカニー〉で、今、一番売れているランニングシューズ!
「《エンドルフィン アズーラ》は、当初はエリートランナーのトレーニング用に開発されました。実際に製品化すると、汎用性がとても高く、初心者にも履いていただけるモデルという高い評価を得ました。今年始めの発売以来、《エンドルフィン アズーラ》は〈サッカニー〉製品の中で、最も多くの方の支持を集めるシューズになりました」(鶴見さん)
《エンドルフィン アズーラ》の人気の理由は、レースからトレーニングまで幅広い用途に応える汎用性の高さに加え、〈サッカニー〉の“履き心地”へのこだわりを体現しているからだと鶴見さんは語る。確かに筆者の記憶に残る往年の〈サッカニー〉のランニングシューズたちも、履き心地に関わる工程を丁寧に仕上げていた。
「“履き心地”は、シューズを作る際の型(ラスト)はもちろん、ミッドソールのクッション性、かかとのホールド感、中敷きなど、トータルで得られるものです。〈サッカニー〉が今も昔も変わらず力を入れてきた、他社にはない“履き心地”は、細部へのこだわりによって生み出されています」(鶴見さん)

スピードを上げても、ミッドソールがクイックに反応
「《エンドルフィン アズーラ》の“履き心地”の決め手は、ミッドソールの『PWRRUN(パワーラン) PB』素材です。レーシングモデルにも使われるPEBA(ぺバ)という樹脂を、窒素を超臨界状態にして発泡成形します。反発性とクッション性、軽量性にも優れているのはもちろん、反応性が極めて高いので、着地衝撃に対して沈み過ぎず、クイックに推進力に活かします」(鶴見さん)
加えて《エンドルフィン アズーラ》のミッドソールは、足を深く包み込むように設計されているため、接地面も広く、安定性にも優れると鶴見さんは語る。低速でも安定するが、スピードを上げても安定感を得られたまま、「PWRRUN PB」のレスポンスの良さを体感できるという。
「ゴールスプリントで加速しても、たわむ感覚はありません。カーボンなどプレートが入っていないモデルなのに、スピードを上げた際にもちゃんと反応してくれます。足さばきの良いシューズに仕上がっています」(鶴見さん)


左、ホワイトのミッドソールの上部にイエローのプリントがされているが、ミッドソールの「PWRRUN PB」は1層構造。右、中敷きにも、超臨界発泡のPEBAフォームを採用。
“履き心地”は、細部に宿る
マサチューセッツ州ボストンにある〈サッカニー〉のオフィス兼開発拠点には、シューズ用フォーム素材の開発に特化したラボがあり、専門スタッフが新素材やパーツの研究開発、プロダクトテストに日々取り組んでいるという。さらに、ミシガン州ロックフォードの本社にもラボが設けられ、世界中のランナーからのフィードバックを集約。ボストンとロックフォードの2拠点で改良を重ねることで、〈サッカニー〉は製品の完成度を高め続けているという。
「クッショニングを含めた“履き心地”への〈サッカニー〉のこだわりを、もっと知って欲しいです。また〈サッカニー〉は、使っている素材や材料を、包み隠さず公開しています。素材を明かさないブランドもありますが、全てを公開するのは、環境への配慮と同じく、コンシューマーへの責任だからです」(鶴見さん)
“履き心地”の追及は、ミッドソールだけにとどまらない。注目すべきは、中敷き(ソックライナー)。《エンドルフィン アズーラ》の中敷きにも、PEBAを超臨界技術で成形した「スーパーレスポンシブソックライナー」を採用している。目立たないパーツだが、着地時の突き上げが吸収され、走行の安定性と履き心地を担保しているという。


足を包むアッパーは、2層のエンジニアードメッシュ。アウトソールは、〈サッカニー〉独自のカーボンラバー「XT900」を採用。
さまざまなランナーのニーズに応える“万能シューズ”
「足を包むアッパーは、2層構造のエンジニアードメッシュにしており、しっかりしたホールド感が得られます。甲が当たるタンも、アッパーと一体になったズレにくいガセットタンを使用しています。かかとのヒールカップが深いので、充分なホールド感が得られます」(鶴見さん)
かかと部からつま先にかけては、弧を描くように反らせたロッカー構造「スピードロール」を採用。着地から蹴り出しまで、ソールが揺りかごのようにカーブするため、走りがスムーズになるという。前足部は、蹴り出しでスピードが得やすい角度に調整されているが、転がり過ぎる心配もないそうだ。
「《エンドルフィン アズーラ》は、これからマラソンを走る方から、エリートランナーのジョグやテンポ走などのトレーニングにも使用できます。さまざまなレベルのランナーのニーズに応える、極めて汎用性の高い万能シューズです。」(鶴見さん)

4つのシーンで、《エンドルフィン アズーラ》を試走
最速を狙うスーパーシューズに使用されるミッドソールの素材と技術と、日々のトレーニングを快適に積むための快適性を兼ね備えた“履き心地”の《エンドルフィン アズーラ》。鼻歌交じりのジョグでも、スピードに乗って駆け抜けたいスプリントでも対応する一足だという。
と、どうにも《エンドルフィン アズーラ》が気になってきたトコロで、試履きへGO。本連載「R.M Monthly Authentics:初めてでも間違いないランニングシューズ選び」がインプレで想定するシーンは、次の4つとなる。
まずは、①足入れ、②ビギナーを含めた「運動不足の解消」を目指す低速での走行、③お腹周りの体脂肪を燃やす長時間走に合った「痩せラン」ペース、最後は④気分爽快のためのダッシュの「スカッと走」。それぞれの速度帯での《エンドルフィン アズーラ》の威力は……というところで、前編は終了。試走の詳細を記した後編にも、ご注目あれ!

撮影/中田 悟


